第6回現代日本彫刻展に際して(1975-図録)
宇部市常盤公園・野外彫刻美術館の現代日本彫刻展は、隔年ごとのビエンナーレ形式で開催され、ことし、第6回展を迎えることになりました。
すでに12年の歳月を経たことになります。その間、現代日本彫刻展は、現代の新しい素材であるステンレス・スティール、アルミニウム、プラスティックスや強化プラスティックスによる新素材の追究をテーマにして現代彫刻の多様性を探り、また、前回第5回展では、「形と色」をテーマにして現代彫刻の基本的在り方を追究し、その都度、記録的な野外彫刻展としてじゅうじつし、現代日本の彫刻界に大きく寄与してまいりました。これはひとえに現代日本彫刻家のかたがたのご協力と一般のかたがたと宇部市民のかたがたの彫刻に対する愛情に支えられた結果と申すほかありません。
本年第6回展は、この意図をさらに押しすすめるため、彫刻が本来的にもつ「彫刻のモニュマン性」をテーマとして広く一般公募し、コンクールによって多数のなかから選ばれた入選作家に制作をお願いするとともに、同じテーマの招待部門とあわせて展示することにしました。と同時に、今回は同じ会場内で、コンクールの入選作家と競って惜しくも選外となった応募作家の優秀模型作品をもあわせてご覧いただくことにしました。
今回もまた、意欲あふれる野外彫刻展となったことを、ともに歓こびといたします。