第21回 現代日本彫刻展に際して(2005-図録)
宇部市常盤公園で開催するビエンナーレ形式(隔年開催)の現代日本彫刻展は、本年21回展を迎えることになりました。「現代日本彫刻展」となる前は、わが国はじめての大規模な「宇部市野外彫刻展」(1961年)、「全国彫刻コンクール」応募展がありますので、通算いたしますと、早や44年の歳月を経たことになります。
これらの宇部の野外彫刻展は、第二次世界大戦におけるわが国の敗戦後、廃虚の中から立ち上がった宇部市の「緑と花」の市民運動に彫刻が結びつき、それが他のどこよりも早く、野外空間のなかに彫刻を自由ではつらつとして解放したのでした。
その後同展では、現代彫刻の多様にひろがる材質追及をはじめ、「形と色」、「彫刻のモニュマン性」、「現代彫刻の抽象と具象と」、「彫刻の中のポエジー」、などをテーマに彫刻のさまざまな機能を追及、さらに近年には「緑の町と彫刻」、「人間讃歌」、「風土と彫刻」、「太陽讃歌」、「光と大地」、「宇部讃歌」、「翔(はばたく)」、「輝(かがやく)」、「煌(きらめく)」、「爽(湖とモニュマン)」、「凜(街とモニュマン)」、「響(ひびく)」、をテーマに自然と彫刻との調和や新たな都市づくりを追及して、その都度、時代時代の記録的な野外彫刻展として充実させてきました。
これもひとえに、いつも快く参加していただいた彫刻家の方々の積極的な御協力と、宇部市民の方々、宇部興産株式会社、その他一般の方々の彫刻に対する愛情によることは申すまでもありません。
今回は、「ときめく宇部」のテーマをテーマとして広く一般公募し、模型作品コンクールによって多数の中から選ばれた入選作品のうち10名に実物制作をお願いするとともに、同じテーマの招待部門10名とを併せて展示しております。同時に、熱帯植物館(常盤公園内)において公募入選模型作品30点も展示しております。昨年11月、楠町との合併なった新生宇部市にふさわしい、意欲あふれる野外彫刻展として、本展の歴史に新たな1ページを加えられますことをともに喜びといたします。
平成17年10月1日
宇部市長 藤田忠夫
現代日本彫刻展
運営委員長 中原佑介
毎日新聞社社長 北村正任