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第四回現代日本彫刻展に際して

第4回現代日本彫刻展(1971)

ビエンナーレ(隔年)形式で開催してきました現代日本彫刻展は、今年で第四回を迎えることになりました。
宇部市常盤公園でのわが国はじめての大規模な野外彫刻コンクール展や「集団60」を主とした彫刻展、それにつづく現代日本彫刻展とを併せ数えますと、はや10年余の経過をもつことになります。短かい歴史であるにしても、この伝統のために、彫刻家諸兄がいつも積極的に参加される理由となっています。
その間、宇部市のこれら野外彫刻展は、戦後の彫刻界に活気を与え、回を重ねるごとに、その年度の記録的な彫刻展として充実し、現代日本の彫刻界をいささか鼓舞し、またすぐれた新人作家を世に紹介する役目を果してきたと自負しております。
これはひとえに、彫刻家諸兄のエネルギー溢れる協力、宇部興産株式会社と宇部市民の方々、その他一般の方々の彫刻に対する愛情によっていることは申すまでもありません。
現代彫刻は、戦前には一般化しなかった彫刻の新しい素材、鉄、真鍮、アルミニウム、ステンレス・スチール、セメント、プラスチックスなどを材料として使用し、自己の思想と現代のモラルを一致させるべく苦闘していることは、これまた、申すまでもありません。
前回、第三回展は、これらのうち、ステンレス・スチール、アルミニウム、プラスチックスを材料として使用することをテーマといたしましたが、今回は強化プラスチックスを材料として彫刻家諸兄に制作をお願いし、新素材による彫刻のあらゆる可能性を追求する意図をもっております。
さいわい、この材料を生産しておられる日本で有数の企業体が加盟する、社団法人強化プラスチックス技術協会に協力を申し出ましたところ、われわれの企画テーマに対して熱烈に賛同していただいたことは、われわれのよろこびとするところであります。
このことは単に彫刻家諸兄の経済的負担を軽減するという意味ばかりでなく、一昨年来われわれがとりくんでまいりました現代彫刻と社会的、文化的な責任をもっておられる企業体との新しい関係を展開させるとともに、現代彫刻が共同社会の理想のなかに共動する契機をさらに深めていくものと思います。
終りに、宇部市野外彫刻展に対し、深い愛情を持ちつづけられ、昨年、病歿された岩城次郎委員のご冥福をお祈りします。

宇部市長 西田竹一
日本美術館企画協議会長 土方定一
毎日新聞社会長 田中香苗

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