時空を旅する彫刻展（3/30～6/8）

終了しました

第25回UBEビエンナーレ（現代日本彫刻展）出品作家展

作品は、鑑賞者が時空を行き来するための装置であり、
それ自体が時空を旅するタイムカプセルであるともいえます。
自然がもつ雄大な時間、過去から未来へと受け継がれる記憶、
刻々と変化していく現在。
作品の内側に見え隠れする時の流れに寄り添ってみてください。
秒刻みで進んでいく時計の時間の向こうに、
時空を超えた出会いがあるかもしれません。

第25回UBEビエンナーレ（現代日本彫刻展）に野外彫刻を出品した三人の作家による
【時間】をテーマにした企画展です。

会　期	2014年3月30日（日）～6月8日（日）10:00～16:00（入場は15:45まで）※会期中無休
会　場	ときわ湖水ホール　ときわミュージアム分館
入場料	100円　※18歳以下、70歳以上、障害者手帳をお持ちの方は無料です。
出品作家	阿比留生吾（あびるしょうご）、冨長敦也（とみながあつや）、森貴也（もりたかや）

会場配布リーフレットより

阿比留生吾　ABIRU Shogo

阿比留生吾は、金属や板ガラスを使って、植物や貝殻のような、自然のなかにある美しさに着想を得たフォルムに挑んでいます。「種子F3」は、第25回UBEビエンナーレ（現代日本彫刻展）に出品された「種子」の端材から制作されたました。細く絞ったラインと、ふっくらとしたフォルムが命のしなやかさを感じさせます。

植物は、未来に命をつなぐために種子のかたちを工夫しながら進化してきました。阿比留は、そんな多種多様な種子たちがもつ美しさ、長い時を超えて受け継いできた生命力を、作品の中に実現しようと試みています。美しい形を得てこの世に生み出される作品もまた、植物の種子のように未来に受け継がれ、時代を超えることができます。

冨長敦也　TOMINAGA Atsuya

石は、地球の内部で気の遠くなるような年月とエネルギーを付加されて生成され、ようやく地上にその姿を現してからも、さまざまな自然環境のなかで、その姿を少しずつ変えていきます。冨長敦也は、石を削る行為を通して、そんな壮大な自然の流れを感じとろうとしています。石に対峙するのではなく、石の生きてきた営みに寄り添い、ノミをあて、そこに人の営みを重ねていく。そんな朴とつとした行為を続けていくなかで、ふと生まれたのがハートのかたちでした。それは冨長にとって、人の手が生んだ、まぎれもない「人」のかたちでもありました。冨長が各地で展開しようとしている「LOVE STONE プロジェクト」は、この自然に人の手を重ねる行為を、作家の手から、観賞者の手へとゆだね、その内的な体験をより多くの人々に開いていこうとするものです。

「人間が彫ったり削ってつけた表面は、自然が風化してできた表面とは明らかに違うという。僕が石を彫るということは、自分が人間であることの喜びを歌うことである。」－冨長　敦也

森貴也　MORI Takaya

性質の異なる二種類の金属を使い、時の経過を視覚化した作品です。常に今という時を映す鏡のようなステンレスと、重ねた時を、錆びながらその表面に刻んでいく鉄。時の流れがもたらす「変化」の中には見えやすいものもあれば、見えにくいものもあります。見つめている対象が、いつも変わらずにそこにあるとは限りません。過去を浸食するように側面にあふれ出たステンレスの流れは、変化し続ける世界を象徴しているかのようです。
夢をのせて未来に走る！
タイムカプセルカーロード

カラフルな木製の車は、ワークショップに参加した子どもたち75名が制作した「タイムカプセルカー」（計74台）です。将来の夢や未来の自分へのメッセージが入ったタイムカプセルをのせています。プレートに刻印された数字は、カプセルを開ける未来の日付（願いが叶う日）を記した「未来ナンバー」。道は未来へと続いています。夢に向かって走り出した車たちは、10年後、20年後、大人になった子どもたちに、どんな再会の瞬間を届けてくれるのでしょう。時の流れの中に小さな種を蒔き、未来に花が咲くのを待つような、そんな楽しみに満ちた空間です。