UBE BIENNALE

野外彫刻展50周年から60周年にむけて(2)

終了しました

彫刻のまち宇部の原動力、そして課題

戦争で荒廃したまちの復興と、心の豊かさを取り戻そうと願う市民運動を契機として、1961年に始まったUBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)。世界で最も歴史のある野外彫刻の国際コンクールは、「彫刻展の開催」と受賞作品を主とした「彫刻設置事業」により、彫刻のまち宇部の原動力となって、半世紀以上の歴史を刻んできました。
しかし、これまでのUBEビエンナーレは、彫刻家や建築家など、一部の専門家からは高い評価を受けるものの、市民にとってあまり馴染みのない遠い存在となっていました。また、国内を代表する彫刻家の作品が集まるコンクールでありながら、全国的な知名度は低く、入場者数も低迷。このような状況の中、いつしかUBEビエンナーレに対する市民の関心も薄れ、一部では、開催の継続を疑問視するような声もありました。

50周年から60周年に向けて”改革の10年”

先人が築き上げてきたUBEビエンナーレをさらに発展させ、次代につなげていくため、UBEビエンナーレ50周年を契機に、さまざまな課題を解決すべく“改革の10年”と位置づけ、これまでの形式にはこだわらず、時代の変化に合わせた改革を進めています。

【改革1】国内外で積極的なPRを開始

テレビや新聞などマスメディアを活用したこれまでのPRに加え、九州、四国、東京など国内はもちろん、スペインやドイツ、韓国でも積極的にUBEビエンナーレをPR。作品の面白さだけでなく、本市が歩んできた「アートによるまちづくり」の歴史を紹介。

主なPR活動

 2011年 野外彫刻半世紀展50(福岡県・北九州市立美術館)
彫刻のあるまちづくりサミット(宇部市)
 2014年 UBEビエンナーレアートフォーラム立ち昇れ!アートの湯けむりBEPPU×UBE」(宇部市)
 2015年 UBEビエンナーレ@渋谷ヒカリエ」(東京・渋谷ヒカリエ)
UBEビエンナーレ@カステジョン(スペイン・カステジョン市)
 2016年 UBEビエンナーレ大賞作家が瀬戸内国際芸術祭の招待作家として出品(瀬戸内国際芸術祭との連携事業に関する協定による)
UBEビエンナーレPR展@瀬戸内国際芸術祭(香川県・小豆島)
 2017年 UBEビエンナーレPR展@九州国立博物館(福岡県・九州国立博物館)
UBEビエンナーレPR展@国際アートフェア「MARTE」(スペイン・カステジョン市)
写真:PR活動1
野外彫刻半世紀展50
写真:PR活動2
彫刻のあるまちづくりサミット
写真:PR活動3
UBEビエンナーレ@カステジョン

 

写真:PR活動4
瀬戸内国際芸術祭
写真:PR活動5
UBEビエンナーレPR展
@国際アートフェア「MARTE」
写真:PR活動6
韓国・昌原彫刻ビエンナーレ

【改革2】UBEビエンナーレの運営に市民参加の仕組みを導入

市民参加による「UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)を考える会」を開催。UBEビエンナーレの今後のあり方について広く意見を求め、現在の「UBEビエンナーレ世界一達成市民委員会」の設立へ。また、市民ボランティアによるオープニングイベントの運営や彫刻ガイドを育成。

オープニング、彫刻ガイドの様子

写真:オープニング、彫刻ガイドの様子1

写真:オープニング、彫刻ガイドの様子2

写真:オープニング、彫刻ガイドの様子3

【改革3】アーティストと市民との交流を創出

市民が彫刻作品に、親しみや関心を持ってもらえるよう、ワークショップやアーティストトークなどを交えた多彩な企画展を実施。
市内全小中学校対象に彫刻教育にも取り組み、市の財産である彫刻を活用し、次の世代の郷土への誇りと愛着心を育成。

企画展、彫刻教育の様子

写真:企画展、彫刻教育の様子1

写真:企画展、彫刻教育の様子2

写真:企画展、彫刻教育の様子3

【改革4】審査会をリアルタイムで公開

開かれた公募展を目指して、UBEビエンナーレの審査の様子をリアルタイムに公開。審査の緊張感までもが伝わるネット配信も併せて実施。

審査会の様子

写真:審査会の様子1

写真:審査会の様子2

写真:審査会の様子3

【改革5】新たな部門を創設

従来の野外彫刻公募部門に加え、AIR(アーティスト・イン・レジデンス)部門、プロポーザル部門の2部門を新設。世界各国からの多様なアート作品に対して門戸を広げ、若手アーティストたちの活躍の場として支援。

  • AIR部門:アーティストが市内に滞在し、市民との多様な交流を通じて作品を制作・公開する。
  • プロポーザル部門:あらかじめ作品の設置場所を指定し、空間にあわせた作品プランを募集。

UBEビエンナーレ アーティスト・イン・レジデンス部門

写真:UBEビエンナーレ アーティスト・イン・レジデンス部門1

写真:UBEビエンナーレ アーティスト・イン・レジデンス部門2

写真:UBEビエンナーレ アーティスト・イン・レジデンス部門3

【改革6】市内全域を会場に、まちじゅうアートフェスタを開催

UBEビエンナーレの開催期間に合わせて、市内のアートイベントを総合的に展開する「UBEビエンナーレ×まちじゅうアートフェスタ」を開催。市内全域でアートの魅力を身近に感じられる“アートによるまちづくり”を推進。

写真:アートフェスタ1
まちなかアートフェスタ
写真:アートフェスタ2
うべの里アートフェスタ
写真:芸術祭
宇部市芸術祭

 

地図:アートによるまちづくりの推進の図

【改革7】市内希望校区へ受賞作品の設置を開始

彫刻設置を希望する各校区の声をもとに、UBEビエンナーレ受賞作品等の設置を開始。各校区は設置された彫刻の清掃などに積極的に取り組んでいます。

市内各所に設置された彫刻

写真:市内各所に設置された彫刻1

写真:市内各所に設置された彫刻2

写真:市内各所に設置された彫刻3

【改革8】彫刻展会場の名称を変更 ”UBEビエンナーレ”を冠に

UBEビエンナーレのメイン会場の名称を「彫刻野外展示場」から「UBEビエンナーレ彫刻の丘」へ。“UBEビエンナーレ”を冠に据えて、誰にもメイン会場としてわかりやすい名称に変更。

UBEビエンナーレ彫刻の丘の写真

60周年、その先の未来に向けて

こうした取り組みにより、市民の彫刻への関心も徐々に増え、またUBEビエンナーレの来場者数も、着実にその数を増やしています。

棒グラフ:来場者推移2020

来場者数

  • 28回展(2019年)102,663人
  • 27回展(2017年)98,450人
  • 26回展(2015年)90,024人
  • 25回展(2013年)51,800人
  • 24回展(2011年)51,000人
  • 23回展(2009年)37,000人

 

戦後のまちの美化と心の豊かさを求める市民運動をきっかけとして始まったUBEビエンナーレは、市民とともに歩みを続け、「アートによるまちづくり」の先駆的事業として、これまで重要な役割を果たしてきました。
これからも宇部市のまちづくり原点であるUBEビエンナーレのストーリーを伝えていくとともに、60周年、その先の未来に向けて、さらに世界から注目されるUBEビエンナーレを目指して、これからも変革と挑戦を続けます。

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