概要
UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)とは
「UBEビエンナーレ」は、戦後のまちの美化と心の豊かさを求める市民運動をきっかけとして、1961年から2年に一度の開催を続ける世界で最も歴史ある野外彫刻の国際コンクールです。
国内外の応募の中から選ばれた15点の野外彫刻が、広大な湖と豊かな緑に囲まれたUBEビエンナーレ彫刻の丘を彩ります。
宇部と彫刻の歴史
宇部市は明治以降、石炭産業を中心にまちの基盤を築きました。戦後は工業都市として発展する一方、その代償として煤塵による大気汚染など環境問題が深刻化します。そのなかで、生活空間を住みよいものへと変えていこうと、「緑化運動」や「花いっぱい運動」などの市民活動が活性化しました。
1958年、宇部市は花の種子を購入するために集められた基金の一部で一体の彫刻を購入します。それを宇部駅(現在の宇部新川駅)前広場の噴水池に設置したところ、市民の間で好評を得ました。
その彫刻こそが、後の彫刻設置事業のきっかけとなった、ファルコネの「ゆあみする女」の複製品でした。
やがて、手頃な作品を安易に設置するのではなく芸術性の高い彫刻を集め、青少年の教育や、若手芸術家の育成にも寄与しようという気運が高まります。そしてついに、ときわ公園を舞台に、日本初の大規模な野外彫刻展「第1回宇部市野外彫刻展」(1961年)が開催され、現在に続くUBEビエンナーレが始まったのです。
宇部のアートによるまちづくり
今から半世紀以上前、1961年に宇部市ではじまった市民運動「まちを彫刻で飾る運動」は、全国の「アートによるまちづくり」の先駆けでした。戦後の復興期に直面した公害問題克服のため、産・官・学・民が協力して取り組んだ「緑化運動」・「花いっぱい運動」がその原点です。
まちを彩る野外彫刻と2年に一度開催される「UBEビエンナーレ」は、宇部市民が世代を超えて受け継いできた財産であり、まちの未来を育むために欠かすことのできないエネルギー源です。宇部市ではこれからも、アートの力をひとづくり・まちづくりに活かす「アートによるまちづくり」を市民とともに推進していきます。
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