向井良吉と《世界地図から》
宇部市立図書館のカウンター上に設置されている向井良吉(1918-2010)の《世界地図から》(1991年)は、図書館のために特注制作されたもので、世界の大陸や文学のタイトルなど様々なモチーフが散りばめられた横幅24.5メートルの大作です。向井は、宇部市のシンボルともなっている《蟻の城》(1962年)の作者であり、抽象彫刻を制作する作家として知られていますが、東京文化会館や紀伊国屋ホールの壁面レリーフ、千葉県文化会館の緞帳の制作など、建物や空間と一体となった装飾的な作品も多く手掛けています。
宇部市立図書館は、市制60周年記念事業として1991年に島から移転して琴芝町に竣工しました。制作当時70代を迎えていた向井は、《世界地図から》の構想をファックスで市役所に送ったそうです。それは用紙が何枚も続く長大なイメージ図でした。この度の展示では、《世界地図から》のアイデアスケッチとして制作されたコラージュ作品20点のほか関連資料を展示します。新しくできる図書館に寄せた向井の思いに触れてみたいと思います。
会期 | 2025年2月7日(金)~3月23日(日) |
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休館日 | 火曜日 ただし2月11日(火・祝)は開館します |
時間 | 10時~16時 |
会場 | ときわ湖水ホールアートギャラリー |
作品紹介
世界地図から
World Map (The Symbol Relief of the Ube City Library)
作 者:向井良吉 MUKAI Ryokichi
制作年:1991
設置場所:宇部市立図書館内
材 質:アルミ
サイズ: 270cm×2,450cm
世界地図から コラージュ
作 者:向井良吉 MUKAI Ryokichi
制作年:1990年頃
コラージュでカードをつくろう!
会場内に、コラージュを体験しながらカードづくりが楽しめるコーナーを設置します。
同時開催:冬のコレクション展
荻原守衛《女》、高村光太郎《手》をはじめ、宇部市の代表的な所蔵作品を展示します。